NHKの歴史番組「英雄たちの選択」(BSプレミアム)スペシャルが2014年7月31日(木)19:30~21:00に放映されます.今回のテーマは「関ヶ原の戦い」,そしてタイトルは「両雄対決!石田三成vs.徳川家康」.本番組で,数理情報工学専攻博士課程の学生と4年生の学生が開発した,戦国時代の戦いをコンピュータ上で再現するシステム「戦国FUSE」が用いられます.
番組収録にあたっては,歴史家の小和田泰経先生とNHKのプロデューサが6月22日(日)に数理情報工学科の古市研究室にこられ,慶長5年9月15日(西暦1600年10月21日)の関ヶ原の戦いでもし武将○○○が○○しなかったら...,関ヶ原の戦いはどうなっていたか,という課題がNHKから与えられました.当日は戦いの主役となる各武将の特徴等を士気,忠誠心,攻撃力等のパラメタで表現する方法や布陣について打ち合わせし,○○○の部分について決定.そして,4年生の学生が中心となって「戦国FUSE」のプログラムを改修.続いて7月6日(日)の再度小和田先生とNHKが来られて関ヶ原の戦いをコンピュータ上で再現.当日収録には7時間を要しました.その後スタジオでの収録が7月13日(日)に行われましたが,担当の古市先生が海外出張で不在のため出演できずに,事前収録だけでの番組出演となりました.
○○○が○○しなかったら日本の歴史は変わっていたか,皆さんにとって興味のあるところと思われます.この番組で用いられた「戦国FUSE」はマルチエージェントシミュレーション技術を用いてJava言語で開発されたプログラムで,個々の武将の意思決定モデルがプログラムされ(AIあるいは人工知能と呼ばれます),仮想環境上で自律的に捜索・探知と意思決定を繰り返して動作します.コンピュータと歴史研究とは遠いと感じている方が多いかもしれませんが,数理情報工学科で学ぶモデリング&シミュレーションの技術は,歴史研究にも役立つことを感じ取っていただけるのではないでしょうか.