日本大学生産工学部 数理情報工学科 新着情報
Mathematical Information Engineering News

数理情報工学科では,暗号や鍵共有問題等セキュリティに関する研究が学生に人気ですが,サイバーセキュリティを対象としたシリアスゲームに関する研究も盛んです.特に,古市研究室では,2014年にサイバーセキュリティをテーマとしたシリアスゲームジャムに多数の学生が参加して以来,人々のサイバーセキュリティへの対処能力向上をテーマとしたシリアスゲームを多数開発し,多数の卒業/修了生がサイバーセキュリティを専業とする会社で活躍しています.また,近年はSNS上への偽情報の発信と拡散及び人々への影響に関する研究も行っています.

サイバーセキュリティの研究分野において,サイバー攻撃に対する人の対処能力の向上に関する研究は「サイバーディフェンス」の範疇に含まれ,NATO各国にはサイバーディフェンスを研究する研究所がたくさんあります(フィンランドのハイブリッド研究所 (Hybrid CoE),エストニアのNATOサイバー防衛協力センター(CCDCOE),ラトビアのNATOストラテジックコミュニケーション研究所(NATO StratCom),オランダのNATOコマンドアンドコントロール研究所 (NATO C2CoE)等). 我が国には(国立研究開発機構)情報通信研究機構のサイバーセキュリティ研究所がサイバーセキュリティ研究開発の世界的中核拠点を目指して最先端の研究が行われていますが,NATOの各研究機関で行われている現在進行系の事態に対する対処方法に関する研究は十分とはいえません.そこで,2018年に民間の有志が集まって組織されたのがサイバーディフェンス研究会で,2023年9月には(一般社団法人)サイバーディフェンスイノベーション機構となって研究と啓蒙活動を続けており,本機構が開催する今回6回目を迎える国際会議が,CYDEF 2023です.

数理情報工学科の古市先生は本国際会議の実行委員である他,古市先生がモデレータを担当するパネルディスカッションでは,各国の国家戦略と法と倫理と文化の面から,専門家が各国における意見を交わし,アクティブサイバーディフェンス(能動的サイバー防御)について各国がどのように取り組み,専守防衛を要とする我が国においては今後どのような対策が可能かを議論します. 

本国際会議はすべて英語で行われ,2023年12月31日まではオンラインで各発表の録画動画を視聴することができます.セキュリテイ,サイバーセキュリティ,サイバーディフェンス,シリアスゲームに興味のある学生の皆さんは,勉強や研究にお役立てください.