日本大学生産工学部 数理情報工学科 新着情報
Mathematical Information Engineering News

NHK総合で「歴史探偵 戊辰戦争と会津の戦い」が2024年5月29日(水)22:00-22:45に放送され,生産工学部数理情報工学科の古市特任教授,理工学部精密工学科の粟飯原助教(生産工学部の出身).国際関係学部の淺川教授らが出演しました.これまでの番組では,「シミュレーション開始!」の1声は古市先生が放ってましたが,今回は松廣香織アナウンサーが発声.新政府軍と会津軍の市街戦の再現部分を担当しました.

■番組名
      「歴史探偵 戊辰戦争と会津の戦い」
■放送日時
(再放送)
・2024年6月4日(火) 午後11:50〜午前0:35 NHK総合 全国

(本放送)
・2024年5月29日(水) 22時00分~22時45分 NHK総合 全国

・国際放送(NHKワールドプレミアム):本放送と同時間
・NHKオンデマンド:1年配信 /NHKプラス:1週間配信 /Tver:1週間配信

■番組紹介
俳優・佐藤二朗ひきいる「歴史探偵社」が今回調査するのは「戊辰戦争の中でも激戦の一つ,会津の戦い」です.詳細は番組のホームページをご覧ください.

「歴史探偵 戊辰戦争と会津の戦い」制作への協力にあたっては,2024年1月にNHK福島局からの問い合わせを受け,FAiBS(Furuichi Aibara Battle Simulator)の新作開発がはじまりました.開発にあたっては, 理工学部精密機械工学科粟飯原先生生産工学部数理情報工学科古市先生が中心となり,地図制作や城の3Dモデル制作は数理情報工学科のメディアデザインコースの2年生(当時)が協力し,戊辰戦争での激戦の一つ「会津の戦い」を再現し,2024年3月29日に古市研究室で収録を行いました.また,軍事史が専門で日本大学国際関係学部国際総合政策学科教授の淺川道夫先生と,古市研究室の川上智上席客員研究員(元海上自衛官)も一緒に開発に加わり,当日は全員が古市研究室に集合して半日かけて収録を行いました.

研究室での収録に対応した4人はいずれも日本大学の教員または客員研究員,この4名で歴史探偵に出演するのはこれが2本目です.1本目は「歴史探偵 黒船来航」(2020年3月25日放送)で,このメンバが勢揃いしたのは4年振りです.

  • 粟飯原萌:日本大学理工学部精密機械工学科 助教
  • 古市昌一:日本大学生産工学部数理情報工学科 特任教授
  • 淺川道夫:日本大学国際関係学部国際総合政策学科 教授
  • 川上智:日本大学生産工学部数理情報工学科 上席客員研究員(元海上自衛隊1等海佐/元海上自衛隊幹部学校教官)

市街戦は様々な要素が複合するためこれまで古市研究室では再現したことがありませんでしたが,本番組でキーとなる専門家の1人である古市研究室の川上智上席客員研究員(元海上自衛官)から市街戦の鉄則をわかりやすく教えてもらい,歴史的な論考については本番組で中心となる歴史家の日本大学国際関係学部の淺川道夫先生から教えていただき,日本大学理工学部の粟飯原萌先生がFAiBS新作を開発しました.市街戦の鉄則に基づき,対象とする市街をバリケードで迷宮状態にし,敵を積極的に迷宮に巻き込み,迷宮中には各所に小さなキルゾーンを用意し,ゴールに用意した広大なキルゾーンで集中攻撃により殲滅する様子を,FAiBS新作で再現することができました.番組中では,バリケードの作り方を川上智氏が実演する様子をみられるかもしれなせん.

今回探偵役を担当されたのは,NHK福島のアナウンサー松廣 香織さん,入局2年目で大学時代の専攻は化学とのことでバリバリの理系女子.今後全国放送でも活躍されることを期待しています.

なお,FAiBSの旧作に関しては,2024年2月に情報処理学会論文誌に採録された論文粟飯原,川上,小林,古市 ”モデリング&シミュレーションによる過去の再現と歴史研究への適用可能性”,情報処理学会論文誌 65 (2), pp. 262-277, 2024-02-15を参考にしてください.

●歴史探偵番組ホームページ
歴史探偵が2021年4月から毎週水曜のレギュラー番組となる以前,歴史探偵「本能寺の変」(2019年12月)「黒船来航」(2020年3月)にも古市先生と粟飯原先生が出演し,人工知能技術を用いた明智光秀による丹波亀山城から京都本能寺までの深夜の行軍やペリーと徳川幕府のお台場での仮想の戦いを再現しました.従って,「戊辰戦争と会津」は古市研究室が協力した歴史探偵としては8本目です.

今回の番組収録にあたり,FAiiBS会津の戦いの開発を(株)構造計画研究所artisoc Cloud上で開始したのは2024年1月,モデリング部分は古市先生と粟飯原先生が共同で行い,シミュレーション部分の開発は粟飯原先生が一人で行い,2024年3月29日の番組収録当日に完成しました.