数理情報工学とは,数理工学,情報工学,メディアデザイン工学など様々な「情報」を扱う学問です.技術革新の早い高度情報化社会の中にあって,本学科では,世の中のニーズにマッチした新たな技術を開発する実践的能力と,数理工学・情報工学及びメディアデザイン工学を基本とする各能力を備えた情報処理技術者を育成します.特に,2006年から「情報工学コース」は日本技術者教育認定機構による認定を取得し,2010年から「メディアデザインコース」はCG-ARTS協会による教育認定校となっている他,本学科で学ぶ学生は基本情報技術者,応用情報技術者をはじめ,CGクリエイター,CGエンジニア,E資格,G検定,統計検定等在学中に様々な資格取得を目指しています.
なお,2022年4月から数理情報工学コースはシミュレーションデータサイエンスコース,情報工学コースはコンピュータ・サイエンスコースと名称が変更されました.
数理情報工学科各コースの学習・教育到達目標は次の通りです(画像をクリックするとPDFファイルが開きます).
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情報ネットワーク オートマトン プログラミング及び演習 |
コンピュータシステム及びネットワークの高信頼設計 |
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伊東拓 (Taku Itoh) 教授 |
コンピュータアーキテクチャー オブジェクト指向及び演習 データサイエンス 離散数学 |
自動形状モデリング 数値解析 コンピュータグラフィックス |
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浦上大輔 (Daisuke Uragami) 教授 |
数理計画法 複雑系と創発 数理情報システム実験 |
複雑系科学 人間情報学 内部観測 |
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岡哲資 (Tetsushi Oka) 教授 |
CGデザイン及び演習 アニメーション インタラクティブシステム特講 |
マルチモーダル対話システム 家庭用ロボット 知的住環境 |
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数理情報工学概論 |
流れの数値シミュレーション Linuxによるネットワーク構築及び並列分散処理 非線形問題に関する数値解析法の開発 |
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財津康輔 (Kosuke Zaitsu) 助教 |
ゲームプログラミング及び演習 技術者倫理 産業関連法規(知的財産権) |
ゲームデザイン シリアスゲーム 創造性を育成するボードゲーム学習プログラムの開発・評価 創造性テストの開発 ゲームデザインを通した教育に関する研究) |
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関亜紀子 (Akiko Seki) 専任講師 |
メディアと社会 インターネット マルチメディアデータ論 |
コンテンツ流通支援と権利許諾管理に関する研究 |
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髙橋亜佑美 (Ayumi Takahashi) 専任講師 |
メディア数理 システム解析 数理情報システム実験 |
振動と音響に関する研究 |
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栃窪孝也 (Kouya Tochikubo) 教授,学科主任 |
UNIX演習 計算論 システム・ネットワーク管理 |
情報理論的な鍵共有問題に関する研究 暗号・情報セキュリティに関する研究 統計的な乱数検定法に関する研究 |
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中村喜宏 (Yoshihiro Nakamura) 教授 |
インターネットプログラミング ヒューマンインタフェース オートマトン |
適応型ヒューマンインタフェース Webインテリジェンスとインタラクション 情報家電ネットワーク |
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野々村真規子 (Makiko Nonomura) 教授,専攻主任 |
UNIX演習 数理情報工学概論 |
非線形物理 数理生物 ソフトマター物理 |
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藤田宜久 (Yoshihisa Fujita) 助教 |
人工知能 データサイエンス |
電磁界解析 ハイパフォーマンス・コンピューティング |
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古市昌一 (Masa Furuichi) 特任教授 |
オペレーティングシステム ゲームプログラミング及び演習 技術者倫理 産業関連法規(知的財産権) |
モデリング&シミュレーション(災害・歴史等) シリアスゲーム構築法(教育,医療・福祉等) |
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細川利典 (Toshinori Hosokawa) 教授 |
アルゴリズムとデータ構造 ソフトウェア構築 ソフトウェア構築演習 |
システムLSIのテストCADに関する研究 ハードウェア・ソフトウェア協調設計CADに関する研究 組合せ最適化問題に対するアルゴリズム |
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見坐地一人 (Kazuhito Misaji) 特任教授 |
ダイナミックス 応用解析学 モデリング&デザイン |
音響・振動の数値シミュレーション 人体筋骨格数理モデル スポーツ健康解析 自動運転時の乗り心地解析 人工知能と数理モデルによるパワーアシストスーツ研究 |
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目黒光彦 (Mitsuhiko Meguro) 准教授 |
人工知能 情報メディア プログラミング及び演習II |
色覚バリアフリーを実現するカラー画像処理 非線形信号処理に基づく劣化画像の復元・強調 コンテンツベースの映像メディア処理 |
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山内ゆかり (Yukari Yamauchi) 専任講師 |
コンピュータ概論 |
人工知能(学習、最適化、曖昧さを取り入れた推論) ニューラルネットワーク 複雑ネットワーク |
数理情報工学科では,3年次に研究室への配属を行います.各研究室に配属される学生の定員は例年約10名で,当該年度の学生数と教員数によって決まります.
3年生の新学期が始まってから行動するのではなく,1,2年生のうちから各研究室を訪問し,各研究室での研究内容や方針等を早めに理解して検討を開始することをおすすめします.
就職・資格に関しては, 生産工学部のHPから以下最新の関連部分を一部引用して掲載しています.
教員免許を希望する数理情報工学科および大学院数理情報工学専攻の学生は,計画的な履修を行うことにより 以下の免許状を取得することが可能です.
<学部卒業>
<大学院修了>
三菱電機(株)/日本電気(株)(NEC)/富士通(株)/(株)東芝/ルネサスエレクトロニクス(株)/セガゲームス(株)/(株)インターネットイニシアティブ/Sky(株)/本田技研工業(株)/アルプスアルパイン(株)/富士ソフト(株)/日立Astemo(株)/東京地下鉄(株)/三菱総研DCS(株)/栃木県警察/千葉県教育委員会
生産工学研究科
日本大学大学院生産工学研究科は津田沼キャンパス内に置かれ、学部における一般及 び専門教育を基礎とし、より高度の科学、技術を修め、研究能力を養う2年間の博士前期課程(旧称は修士課程)と更にその上に専攻分野における独創的研究成果を発表することによって、学術の進歩に 寄与することを要求される博士後期課程(旧称は博士課程)がある。それぞれ課程修了時に論文を提出し、審査に合格すれば工学修士、工学博士の学位を授与される。
数理情報工学専攻
上述の生産工学研究科には7専攻が設置されており、その一つが数理情報工学専攻(入学定員 前期課程10名、後期課程3名)です。前期課程に進学すると別表に示された修士論文指導者である教授または准教授の研究室に所属し指導を受けることになるので、各研究室の内容についてよく調べておくことが大切です。なお、大手企業では近年益々高度の学力を持つ技術者・研究者を要求するようになり、博士前期課程修了者中心の採用を行う傾向が強くなってきました。 なお、数理工学科を名称変更し、数理情報工学科として教育を開始したので、大学院数理情報工学専攻も、その変容に適切に対応するべく授業科目およびスタッフの充実について検討を重ねる。
奨学金
大学院生に対しては、修学中の経済的負担を補助するために、次のような奨学金制度が設けられている(平成19年度現在)。
また他機関による奨学金も次第に確立される機運にあります。さらに本学独自の学生負担軽減策として、ティーチングアシスタント給費制度があり、慣例とし て前期2年の学生の多くが給費生に選ばれ、学部学生のティーチングアシスタントの仕事に当たります。
入学選考及び出題
学部学生が大学院(博士前期課程)進学を希望する場合、学部4年次の7月(第1期)に行われる学内選考(学業優秀な本学生 の推薦入学)制度と、3月に行われる一般選考(第2期:本学および他大学からの進学希望者から試験により選考する)制度の2つの選考機会を有します。学内 選考は学部3年次までの成績の順位を参考にし、口述試験(専門科目・外国語・その他)のみによって行われます。一般選考は筆記試験の英語1時間30分と、 専門科目(数理情報工学専攻では、数学が必修で、他に物理学・応用力学・システム工学・数値シミュレーション・情報工学・情報数学の7科目のうちから数学 を含めて3科目選択)3時間となっています。 出願に必要な書類は、大学院入学志願票(写真貼付)・調査表・卒業(見込)証明書・健康診断書などであるが、詳細は、大学院入学試験要項を読まれたい。
プロジェクト演習(S)・プロジェクト演習(2年後期)
情報セキュリティ(S) 3年後期
コンピュータグラフィックス(3年後期)
数理情報工学演習(3年前期・後期)
放課後の学生談笑
システム解析(2年後期)
卒業研究は大学生活の総括とも言える重要な科目であり、必修科目と指定されています。
卒業研究は、3年次までに履修した知識を総合的に活用し、1つのテーマのもとで研究を行い、その成果を論文の形でまとげあげ発表するものです。学生は、 卒業論文の作成によって、初めて研究の仕方、材料の集め方、そのまとめ方、論文の書き方、発表の仕方等普段の講義によっては得られないものを会得するであ ろう。その実施に当たっては、指導に当たる教員、大学院生、学友と十分に討議を重ね、記憶力よりむしろ理解力と創造力を積極的に発揮しなければならない。 このような知的能力の開発は、将来研究者として立つ人ばかりでなく、技術者や教育者として頭を使って社会で活躍する人にとっても不可欠です。
卒業研究に着手できるのは、取得総単位数が100単位以上で、かつ3年次までの未修得の必修科目数が3科目以内の学生です。卒業研究着手者名簿は4月初頭に発表されます。
卒業研究の実施方法
どのように卒業研究を希望するかは、各研究室より3年次後期に発表される卒業研究課題を参考にして、卒業研究課題を指導す る教員との対話あるいは卒業研究発表会などに積極的に参加することで研究内容をある程度理解したうえで、希望する研究室を選ぶことが大切です。希望する研 究室へのアプローチは、学生自身の積極的に研究を理解しようとする姿勢が重視されます。研究テーマが決定したならば、次はいかなる方法で研究するかを考 え、なるべく詳細に計画を立てます。もちろん研究の進行に伴い予期に反する事情が起こり、計画を変更しなければならぬ場合もあるから、ある程度弾力性のあ る計画が望ましい。周到な研究計画は無駄を省くと同時に手落ちを無くし、最少の労力と短期の期日とをもって目的を達成させる第一の近道です。研究計画が決 まったなら、今度は材料集めにとりかかります。家の設計図ができ上がったら、それに基づいて必要な建築材料を集めるのと同じことです。
テーマの性質によって、実験・観察・調査と方法はいろいろありますが、とにかく材料は豊富でなければなりません。貧弱なデータの上に大きな論文を組み立てたのでは、いわゆる砂上の楼閣で不安定この上もない。
12月の授業の終了日に卒業研究本論文を数理情報工学科事務室を通して指導教員に提出します。本論文の書き方はそれ自体論文作成の重要な作業であるが、 ここで簡単に規定できないので指導教員の指示に従うものとします。提出された本論文は各研究室に永久保存されます。
1月末に卒業研究概要集の原稿を4年担任まで研究室毎にまとめて事務室に提出します。原稿の形式は指導教員の指示に従うものとします。なお、この概要は“ 数理情報工学科卒業研究概要集”として印刷・製本され、2月末に各人に配布され卒業研究発表会で使用します。また、数理情報工学科の各研究室をはじめ学部 内外で永久保存されます。
卒業研究発表会は各自が取り組んだテーマに関する成果を発表し、客観性を問う為に行うものです。また、そこで得られた意見および批判を基に、これからの 発展に反映させ、役立ててほしい。なお、2・3年生の将来、卒業研究テーマを選択するとき大変参考となるでろうから、この機会を逃さず先輩の発表会に積極 的に参加することが望ましい。数理情報工学科では2月下旬に、卒業研究発表会を開催します。
主な卒業研究テーマ (今後の予定も含む)
数理情報工学科を知る
Interested?数理情報工学科に興味を持ちましたか?
For those who are interested in to enroll to our program, please access to our admission office site of Nihon University. 数理情報工学科への入学に興味を持った方は,日本大学の入試情報サイトをご覧ください.
数理情報工学科を知るならまず「15秒でわかる数理情報工学科」の動画を見てみましょう.なお,3つのコース名は2022年4月から次のように新しくなりました.動画中では一部旧名で紹介されています.
もうちょっと知りたくなったら,「60秒でわかる数理情報工学科」の動画もあります.
数理情報工学科には次の3つのコース(コンピュータサイエンス,メディアデザイン,シミュレーション・データサイエンス)があります.コンピュータサイエンスコースへの所属は,入学後の1年次に決定します.メディアデザインコースとシミュレーション・データサイエンスコースのいずれに所属するかは,2年の前期に決定します.
各コースの詳細は左の各リンクまたは次のリンクをクリックしてください.コースを決定するための基準は次の通りです.
コンピュータサイエンスコースへの所属決定は,新入生の場合は入学後の1年次,編入生の場合は編入時において,学生の希望及び次のような選抜基準によって決定します.
■新入生に対するコンピュータサイエンスコースの選抜基準について
コンピュータサイエンスコースの定員は約40名です.希望者の中から本人の意思を重視し,面接とプレースメントテスト(入学時に行われる数学,理科,英語の試験)により選抜します.
■編入生に対するコンピュータサイエンスコースの選抜基準について
編入前の学校の所属する学科またはコース等においてJABEE対応の授業が実施されていて,数理情報工学科のコンピュータサイエンスコースに設置された科目の単位が認定された者は,当該コースを希望することができます.双方の教育目標,認定された単位数及び面接を参考に選抜します.
シミュレーション・データサイエンスコースでは、AI(人工知能)に代表されるIT(情報技術)と、それらを理解して活用するために必要な数理的能力を身につけます。日本と世界が目指す新しい情報化社会では、「シミュレーション」と「データサイエンス」が仮想空間と現実空間を繋ぐ大切な役割を果たします(左図)。本コースでは、これらの最先端技術を実践・開発・研究する上で必要な科目が、他コースや他大学に類を見ないほど充実しています。また、これらを学ぶための基礎となるプログラミングや数学を一から着実に学ぶことができます(右図)。
<コースの特徴>
<学習・教育目標>
本コースでは「柔軟な思考をもった情報処理技術者育成のための教育」を目指しています。柔軟な思考の基礎となるのが数学であり、それを具体化する道具として コンピュータがあります。これらの二つを用い、新しい問題を解決するのに必要な「数理的発想・思考・方法」を学びます。その「数理的発想・思考・方法」と は、自然システム、人工システムや情報システムなどのさまざまな分野に対する個々の問題を個別に解決しようとするのではなく、個々の問題に共通に内在する ものを抽象化して数理モデルを構築し、そのモデルを解析し、問題の本質を理解しようとするものです。さらに、収集蓄積された情報に対し、適切に分析評価す る能力、及びその情報を発信するのに必要な情報技術の活用能力も養います。 以下に、本コースの学習・教育目標は次のとおりです。
メディアデザインコースでは,従来の情報を解析・処理するための情報技術ではなく,また単に情報を表示する技術だけでもなく,「魅力的な表現で,役に立つ情報を,必要とする人に提供する」ための情報の分析・処理・表現の全般に関するメディアデザイン技術を習得することができます. どのメディアを用い,どのように表現すれば,その情報を必要とする人にわかりやすく効果的に伝えられるかといった,より深い視点で考えることができるクリエータやエンジニアを育成するため,次の各技術を学びます.
本コースの最大の特徴は次のとおりです.