日本大学生産工学部 数理情報工学科 新着情報
Mathematical Information Engineering News

毎年この時期に数理情報工学科の学生は各地で行われる学会で日頃の研究成果を発表します. 2024年2月23日〜25日に大阪樟蔭女子大学で開催された第14回日本デジタルゲーム学会年次大会では,ゲーム開発やゲーム研究を行う全国の研究者と学生が集まって成果を発表,数理情報工学科からは3年生2名が参加して「認知的不協和理論に基づく行動の習慣化達成アプリの試作」というタイトルで発表しました.

数理情報工学科の学生が良く研究成果を発表するのは,以下の各学会です.3年次に研究室配属先を検討する際や,配属後に成果の発表先を選ぶ時の参考にすると良いと思います.なお,就職時に準備する履歴書やエントリーシートには,必ず所属学会の記入を忘れてはいけません.また,発表した場合はそのタイトル等書誌情報を記入し,学生奨励賞等を受賞した場合にはそれらの記入も忘れてはいけません.基本情報やCGI検定等の資格以上に,学会活動は就職時に役立ちます.

シリアスゲームジャムとは,社会における様々な課題をゲームのチカラで解決することを目的とし, 専門家とゲーム開発者と学生らが力を結集して短期間でシリアスゲームを制作するイベントです. 2014年に第1回を開催した後,様々な課題をテーマとしたシリアスゲームジャムを開始しましたが,第9回目のテーマは「防災に対する備え」です. これまでのシリアスゲームジャムに参加したのは,大学や専門学校等でゲーム制作を学んでいる学生はもちろんのこと,日本及び海外のプロのゲーム開発者をはじめ,ゲーム制作は初めての一般の方も多数参加し,世の中の課題について皆で考え,ゲームの形にしました.今回も,大学生や専門学校でゲーム制作を学ぶ学生だけではなく,全く初めてゲーム制作を経験する人も,「防災に対する備え」に興味のある人はぜひともご参加ください.


SGJ9のキービジュアルはメディアデザインコースの4年生が描きました

  • 開催日時:3月5日(火)〜7日(木) ※会場でのジャムは9:00-19:00ですが,チームで相談してそれ以外の時間に制作することもできます
  • 開催場所:日本大学理工学部駿河台キャンパス
  • 参加資格:「防災に対する備え」に興味のある人,学生・生徒・社会人・プロのゲーム開発者等,誰でも参加できます
  • 参加費:無料
  • 参加申し込みフォーム
  • SGJ9公式サイト(日本大学理工学部 応用情報工学科 松野研究室)
  • 主催:第9回シリアスゲームジャム実行委員会,後援:日本デジタルゲーム学会教育SIG,(株)アールシーソリューション等

数理情報工学科及び数理情報工学専攻の学生は,この時期国際会議で日頃の研究成果を発表します.2023年12月4日から6日にハワイのホノルルで開催されたAHFE 2023には,4年生の研究成果が1件(佐々木唯衣さんと渡邉雅子さんらのチーム),大学院博士前期課程1年生 近藤秦正君と東京国際工科専門職大学4年 大谷幹仁(※)らのチームによる発表が1件,大学院博士後期課程4年生・倉川清志君が1件発表しました.

※2020年に開学した東京国際工科専門職大学は,1期生が今年度最初の卒業研究を実施中ですが,今春から古市研究室では東京国際工科専門職大学の小野先生と相談・調整して4年の大谷幹仁君をインターン生として受け入れ,卒業研究の一環として古市研究室の学生と共同でLHSに関する研究を行ってきました.


③について発表する倉川清志君

①左,②右について現地でデモと発表補助を行う古市先生

2023年12月10日,大学院博士後期課程1年の関口君が,テキサスのサンアントニオで開催されている国際会議 Winter Simulation Conferenceで,入学してから約半年間の研究成果を発表しました.タイトルは "Information Diffusion Model of SNS and Visualization Method"で,SNS上で発信された情報がどのように拡散し,人々に影響を与えるかを,マルチエージェントシミュレーション方式で再現し,可視化した成果に関するものです.他の発表の中にはより説得力の高い政策等決めるためのマルチエージェントシミュレーション等に関するものが複数あり,今後研究を進める上で大変参考となる情報が得られた国際会議の発表でした.

大学院生の川田 剛資君(見坐地研究室)が2023年12月15日に開催された日本大学医工連携シンポジウムで「筋骨格数理モデルを用いた上部消化管内視鏡検査時の医師の身体的負担度解析」について発表しました。内容は内視鏡検査(胃カメラ,大腸カメラ)時の医者の身体的負担度を筋骨格数理モデルを用いて定量化しその負担を軽減する医師の姿勢や補助器具の開発に活かす研究です。今後の研究成果が大いに期待されます。

数理情報工学科では,暗号や鍵共有問題等セキュリティに関する研究が学生に人気ですが,サイバーセキュリティを対象としたシリアスゲームに関する研究も盛んです.特に,古市研究室では,2014年にサイバーセキュリティをテーマとしたシリアスゲームジャムに多数の学生が参加して以来,人々のサイバーセキュリティへの対処能力向上をテーマとしたシリアスゲームを多数開発し,多数の卒業/修了生がサイバーセキュリティを専業とする会社で活躍しています.また,近年はSNS上への偽情報の発信と拡散及び人々への影響に関する研究も行っています.

2023年12月2日(土),日本大学生産工学部校友会数理情報部会懇親会が桜門会館で開催されました。参加者は49名で,1977年の卒業生から2022年の卒業生まで,幅広い年代の方々に参加していただきました。2019年からスタートしたこの懇親会ですが,コロナになってからの3年間はオンライン(Zoom)での開催でした。久しぶりの対面での開催とのこともあり,幹事の人たちはとても張り切って準備をしてくれました。

令和3年懇親会

令和2年懇親会

令和元年懇親会

三宅修平数理情報部会長,中村喜宏学科主任の挨拶,㈱東京技術計算コンサルタント倉川清志社長の乾杯のご発声で懇親会がスタートしました。毎年好評のチーム対抗のゲームでは,「借り物競争」をしました。年代ごとにシャッフルされたチームで競った今回のゲームは,年代を超えた卒業生同士の交流が一番に深まったシーンでした。最後は,細川利典教授からの感謝のお言葉と一本締めで締めくくりました。卒業生・教職員,在学生の皆様,そしてこの会を準備してくださった幹事の皆様に心より御礼申しあげます。

生産工学部には多くのサークルがありますが,最も人数が多いのは「eスポーツ研究会」です.2023年度は約180人のメンバが所属し,様々な種別に分かれて練習をしています.主な練習場は数理情報工学科のeスポーツスタジオ,大学の中でオンラインゲームをプレイできる場は,このスタジオ内だけです.

学生eスポーツ連盟主催のイーカレ APEX LEGENDS 2023 SUMMER CUPで,数理情報の1年生がメンバのTeam Dexterityが優勝しました.この写真は,日本大学新聞の取材中の様子です.

数理情報工学科にはゲーム開発に興味のある学生が毎年たくさん入学します.入学後はプログラミングの基礎等やゲーム開発には欠かせない数学,物理,そして人工知能,コンピュータグラフィックス,アニメーション等を学び,3年生ではチームでゲーム開発を行って世界に向けてストアでリリースして実績を積みます.次に,一部の学生はその腕を試すために世界各地で行われるゲーム制作を行う国際大会等にも参加します.今年はコロナ禍が明け久しぶりに対面型の国際大会「全州大学グローバルゲームジャム」が韓国で行われ,4年生の学生3名が参加してきました.今回日本大学から参加したのは生産工学部数理情報工学科 古市研究室の3名に加え,理工学部応用情報工学科 松野研究室の3名が参加した他,日本からは東京大学文学部 吉田研究室の4名も参加し,担当の古市先生によると国際大会に日本からの参加者が10名を超えるのは今回がゲームジャム史上初であろう,とのことです.

夏休み中の大学は,講義等がなくて落ちついて研究ができる絶好の期間です.この期間,教員はもちろんのこと,大学生と大学院生の多数は全国各地で行われる学会で研究成果を発表します. 古市教授が副会長を務める(一般社団法人)日本デジタルゲーム学会では2023年9月2日に成城大学で夏季研究大会を開催し,日本大学からは文理学部,理工学部,経済学部の学生らが研究成果を発表しました. 当日のプログラムはこちらから予稿集はこちらからダウンロードできます.  2024年の年次大会(2月末または3月初旬)では,数理情報工学科からはメディアデザインコースの学生を中心として多数の研究成果の発表が期待されます.